【新規事業】既存事業と知財⑨

海外事業を支援する知的財産部門の具体的な役割は以下の通りです。

1.国際特許戦略の策定
 海外市場での特許保護を含む国際特許戦略を策定します。市場の魅力度と合わせ、特許出願のタイミングや各国の特許制度を調査理解した上での地域の選択などが含まれます。実務的には、PCT出願と国内移行の選択などです。

2.知的財産権の確保と保護
 海外での知的財産権の登録や保護を管理します。特許や商標の出願手続き、権利の維持管理、侵害の監視と対応などが含まれます。

3.技術ライセンスと提携の支援
 海外での技術ライセンス契約や提携の交渉を支援します。具体的には、ライセンス契約書の作成や交渉支援、知財だけでなく各国法令全体としての契約の適法性の確認、契約の維持管理などが含まれます。

4.知的財産リスク評価
 各国ごとの知的財産が関わる法制度を調査整理することで、国ごとの知的財産リスクを評価し、適切な対策を提案・実施します。例えば、競合他社の特許分析(IPランドスケープ)、知的財産侵害リスクの評価、各国の判例調査、争議解決などが含まれます。

知的財産権の保護や活用において、海外市場の特異性や法制度の違いを理解し、適切な戦略を立てることが知的財産部門に求められます。

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