【新規事業】マテリアリティ

マテリアリティ(Materiality)とは、企業が優先して取り組む重要課題を指す言葉です。企業がビジネスを行ううえで考慮しなければならない課題であり、その企業が重要と位置付けている課題です。

従業員、投資家、サプライヤー、取引先、求職者といったステークホルダーに対して、「当社はこのような課題を重視している」ということを伝えます。またマテリアリティは、企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みと関連しています。

具体的には、以下のような要素がマテリアリティになります。

1.脱炭素社会
 地球温暖化の進展が加速しており、世界各地で様々な今までになかった現象が起きています。この影響は人間だけでなく陸海の多くの生物に影響を与えています。地球温暖化を抑制するために脱炭素化の流れは世界的に加速しており、2020年の10月には日本でも脱炭素社会の実現を目指すという宣言を行いました。温暖化の原因のひとつである二酸化炭素の削減は喫緊の課題であり、世界全体を挙げて取り組む必要があります。企業は事業活動を行う際、相当量のエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出してしまいます。この排出量を減少させ、最終的にはゼロを目指すという取り組みです。

2.循環型社会
 大量生産・大量消費・大量廃棄を伴った経済成長を進めた結果、資源枯渇、廃棄物増加、環境破壊が深刻化しています。循環型社会形成推進基本法では、循環型社会を製品等が廃棄物になることの抑制、排出された廃棄物を資源としてリサイクル、どうしても再利用できない物のみ適正に処分することにより実現される「天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会」と定義しています。循環型社会の形成は、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの1つであり、企業の社会的責任なのです。

3.生物多様性
 生物多様性とは、生きものたちの豊かな個性とつながりのことです。地球上の生きものは長い歴史の中で、さまざまな環境に適応して進化し多様な生きものが生まれました。これらの生命は一つひとつに個性があり、またそれぞれが相互作用し支えあったバランスを維持しています。この生態系のバランスを壊すことのないように経済活動することが求められています。

4.ダイバーシティ&インクルージョン
 ダイバーシティとは多様性と訳され、人種や性別といった多様な属性を持つ人の集まりのことです。インクルージョンとは多様な人材が集まって互いに機能している状態を意味します。会社で言えば、個性的な様々な人材が集まり、各自が相手を尊重し合って各自の価値観やスキルを上手く活用し、高いパフォーマンスあるいは変化に適合していく組織を目指す活動のことです。この状態の組織は様々なアイデアが出てきて課題解決が早く、またイノベーションを起こす可能性が高まると期待されています。また個々人を尊重することで人権配慮になり、各自の幸福度を高めることにつながります。

以上のような例を挙げましたが、SDGsの項目は多くあり、それぞれがマテリアリティの要素になり得ます。より幸福度の高い社会、持続可能な社会づくりに向けて、各企業が重点的に取り組む課題を定義したものがマテリアリティであり、それが企業の存在意義や一体感につながっていくのです。

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