【マネジメント】部下育成のコミュニケーション

初めて管理職になると、組織運営および組織パフォーマンスの責任、そのための部下育成が必要となります。
今までと違い、自身で成果を出すのではなく、部下に成果を出してもらう必要があり、そのためのマネジメントをすることが求められます。マネジメントの手法も短期的成果を求める場合と中長期的成果を求める場合で異なります。
短期的成果を出すためには、必達目標、解像度の高い実行計画作成とそれを部下に確実に実施させる、ある意味、強権的な(しつこい)マネジメント(管理)をすることになります。個々人の育成を「待つ」という時間的余裕がないためです。しかし、このマネジメントが長く続くと、組織は疲弊し、異動希望や離職率が高くなり、組織としての力や基盤を築くという意味では、行き過ぎるとマイナスとなります。尚、このマネジメントでは、ダイバーシティ&インクルージョンという思想はほとんどなくなります。
中長期的な成果を考える場合、長期ビジョンとミッションを明示し、難易度の高い目標を設定します。それを実現するためには「力技」だけでは不可能(※力技で出来る範囲は難易度が高い目標とは言えません)なため、適切な戦略、実行計画、それを実施できる能力の高い部下育成が必要となります。このマネジメントでは、個々人の強みを大いに発揮させる必要があるため、ダイバーシティ&インクルージョンという思想が入ってきます。適材適所という思想も入ります。
以上のように目標設定によりマネジメント手法(スタイル)が異なってきますが、ここでは後者の部下育成をする必要がある場合のマネジメントについてお話します。
初めてマネジャーになる人にとって部下に厳しい言葉(パワハラではない)を投げかけることは負担に感じるかもしれません。部下のパフォーマンスに関する会話、特に批判的なフィードバックをする必要のある場合は負担に感じるでしょう。
しかし部下との会話を避けたり、批判的フィードバックするのを先延ばしすることはNGです。
新任マネジャーは部下への適切なフィードバック準備をまずしましょう。具体的には、部下に不足していると思われる項目(意識・知識・スキルなど)を明確にし、それが組織(上司であるあなた)の期待に応えられていないことを説明できるようにしておく必要もあります。
フィードバックする際には、仕事そのものに焦点を当て、部下個人に焦点をあててはいけません。個人批判と受け取られるとパワハラと感じられたり、部下との関係が築けず、あなたのために力を発揮してくれなくなります。
優秀なマネージャーは、部下を気遣い、部下の仕事がうまくいくように支援する者です。注意すべき点は、友人のように部下と仲良くなることが優秀なマネージャーではありません。友人となっても部下は成長しませんし、成果を出せなければ達成感も味わえないからです。
部下が成果を出せなければ、上司であるあなたは部下を昇格推薦できません。あなたが推薦したとしてもあなたの上司はそれを承認しません。結局、部下は昇格できず不満を持ちます。あなたの部下だから成果も出せないし、昇格もしないと考えてしまいます。
批判的フィードバックと育成支援が部下にとって大切であり、それが上司との関係構築ひいては組織パフォーマンス向上に不可欠であることがわかって頂けたと思います。