【マネジメント】質問力

会議や人材育成において効果的な質問をすることは地味ですが、確実に成果と信頼を獲得出来ます。
注意すべきは、詰問にならないことです。「Yes. I think so. From a different perspective,・・・ 」
質問は否定的な姿勢ではなく、常に相手の意見に対して肯定的な姿勢を堅持しながら、効果的な質問をしていきます。不足している視点を気づかせる質問(もっと全体的に、包括的に理解をしていこうという意図)、曖昧な部分をより深く・具体的に考えさせる質問(コーチング)、ある前提を置いた(明言)上で思い切ったジャンプ的な質問(極端な話をするとどうなるのか)など。
質問は、チーム メンバー間の信頼関係の構築にも役立ちます。メンバーひとり一人の意見を尊重、肯定しながら会議での議論を広く深くする質問を繰り返すことで各人の意見を取り込みながら合意形成をすることができます。
また質問を積極的にしていくことで予期せぬ落とし穴や危険を発見することにもつながり、現場の安全向上やビジネス リスク軽減につなげることもできます。
また自身の意見(特に管理職側の意見)をそのまま発言すると、それが指示命令に取られてしまって議論が停止してしまうことがあります。そのような場合、自身の意見を「質問という形に変化」させてから発言するとよいです。
質問力は、磨けるスキルです。意識して取り組めば質問力は速やかに向上します。極端な話、「意見を質問に変換してから発言する」ということを徹底すれば、すぐに出来るようになります。また鳥の目で全体を眺めたり、虫の目で細部を眺めたりということを意識していると鍛えられます。「自身の価値観だけからの質問ではなく、優秀なファシリテーターという姿勢で様々な視点や立場から質問を繰り出すのです」。
このように良質な質問を意識することで、自身の感受性や知性が自然に向上し、それを土台にさらに質問の腕は上がっていきます。
質問は会話ですから、質問の内容だけでなく、質問するときのトーンや話す速さ、質問順序、話の組み立て方などにも配慮することも大切です。
常に「より生産的になること、より創造的になること、より良好な関係となること、より戦略的になること」を意識して質問することが大切です。
会議後、「効果的な質問はできたか」「会議の質は向上したか」「メンバーの認識は深まったか」などを振り返り、より効果的な質問をするための改善点をメモしておきましょう。
最後に注意点です。「あの人は質問しかしない」と思われることはマイナスです。「自分の意見を持っていない人」と思われてしまいます。自分の意見を持っていないというのは「否定されることを恐れていてズルい人」と思われてしまいます。
効果的な質問をしながらも(組織活性化)、謙虚に自身の意見を発言することも忘れにようにしてください。