【新規事業】価格決定方法

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、価格決定方法についてお話します。

価格決定方法には主に2つあります。コストベースとマーケットベースです。

コストベースでの価格決定とは、製品単位あたりの原価にマークアップ(利益)を加算して価格を決定する方法です。電気、ガス、水道などのインフラ産業での価格決定に用いられており、供給側のコストを重視したものです。市場が競争状態にない場合に有効です。

マーケットベースでの価格決定とは、顧客が製品に対して支払うであろう価格を想定して価格決定する方法です。市場が競争状態にあるなど顧客満足や競合相手の動きを重視した、市場志向の価格決定方法です。この場合の価格は「目標価格」として設定され、それから目標利益を差し引いた残りが目標原価となります。すなわち、原価は市場価格から決めていくという順番で、コストベースとは逆になります。エブリデーロープライスなどの小売業はこのアプローチとなります。

コストベースの価格決定方法は全部原価方式と直接原価方式に大別されます。

全部原価方式はその名のとおり、製品単位あたりの総原価(変動費+固定費)をコストベースとしてこれにマークアップを加算して価格を決める方法です。すべての費用を原価に組み込んでいるため変動費および固定費の両方を同時に回収できる価格となっています。

直接原価方式では、製品単位あたりの「変動費」をコストベースにし、これにマークアップを加算して価格を決めます。すなわち、マークアップ分は限界利益相当となり変動費は確実に回収しますが、固定費は少しずつ回収することになります。全部原価方式より価格設定を低くできることから市場に新規参入した場合など早期に顧客を増やしていきたい戦略に有効です。一方で低価格が市場に認知された後に値上げすることは困難ですので長期的に利益率を高くできない、価格競争を激化させてしまう、などのリスクを含んでいます。

マーケットベースの価格設定をする場合、目標利益を確保するためには目標原価を達成する必要があります。これは原価企画のところで説明します。

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