【新規事業】営業が売れない

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、新規事業における既存営業組織の課題についてお話します。

営業組織を保有する中堅、大企業において新規事業を開発したとき、その新商品を営業が売れないということが起こり得ます。

既存事業のドメイン内の新商品でメニュー追加程度の位置づけであれば問題ないですが、ドメインの端の方、あるいはドメイン外の新商品では営業が売れないということが十分起こりえます。

複数の理由がありますのでそれを紹介します。

理由①:営業が説明できないと拒む

既存の営業組織で取り扱っていた商品については慣れていますが、新商品については全く知見がないためそれを顧客に説明することが難しいと拒まれることがあります。特にデジタル系、ソフトウェア系の無形商品について拒否反応を示すことがあります。QA集を作成しても顧客から質問されて答えられない内容はどうしてもあります。

理由②:日頃会っている顧客と異なる

同じ取引先企業であっても既存商品の提案先の顧客(担当者)と新商品の顧客側の担当者は異なるため、担当営業パーソンにとっても初見の相手となります。すなわちいつものようにはいかず、最初から関係構築をする必要があり、すぐに売ることは出来ないのです。また部署によって意思決定基準や価値観が異なります。

理由③:顧客が違和感をもつ

顧客から観て、新商品が今まで提案されてきた商品とかなり異なる場合、「なぜその商品を取り扱っているのか」と顧客は違和感を覚えます。例えば、プリンター会社が損害保険商品を取引先に提案したら顧客は耳を疑うと思います。この違和感のバリアでなかなか売れないのです。たとえその商品を取り扱うようになった理由を説明しても顧客は納得しません。専門外の会社とは契約したくないのです。

すなわち、新事業の新商品を既存会社で取り扱う場合、ドメイン内の商品とすることが肝要です。ドメイン外の商品とする場合、子会社を設立するなどして顧客に違和感を持たれないようにする工夫が必要です。

理由④:営業側に販売目標をもたせることが難しい

新商品はどの程度売れるか未知数のため、営業側に販売数値目標をコミットさせることは困難です。一方、販売数値目標を設定しないと営業パーソンに本気で売ってもらえません。優先順位が下がり、1件も提案しなかったということも十分あり得ます。

テスト販売のときは更に販売数値目標を設定することは困難です。

以上のような課題を解決してテスト販売を実施しなければ、その商品に対して顧客ニーズがあるのかどうか正確には測定できません。

一方で商品企画段階やテスト販売で自社の営業組織で売ることが出来ないことが判明した場合、その商品は断念するという結論を出すこともあるでしょう。

既存営業組織を活用せずにテスト販売をするために別会社を設立することも出来ませんので、新規事業開発担当者が営業代行会社の力を借りてテスト販売するという方法もあります。しかしこのときも「どうしてその商品を販売するのか」という顧客の違和感は払拭できません。そのような場合、その商品専門の組織名をテスト販売用につくり名刺を作成するということも必要となります。

以上のように「テストマーケティング」とは単純に売ってみればよいというものではないのです。

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