【仕事力】1on1ミーティング

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は「1on1ミーティング」についてお話します。

1on1ミーティングの目的は上司と部下の信頼関係づくり、心理的安全性向上、相互理解を深めることを通じて、個々人の価値観を受け止め、各人が抱えている様々な課題への助言・支援(聴いてあげるだけでも効果あり)をも含めて、一人ひとり、ひいては組織全体のパフォーマンスを向上させることです。

私の場合、20年前から部下とは毎年2回(1on1ミーティング)、人事制度上の定例面談以外に時間制限なしに部下が話すことがなくなるまで色々と話を聞きました。沈黙していると色々と話してくれました。上からではなく常に部下の下に入り込む姿勢で聞きました。

最近流行っている1on1ミーティングは一般的には30分以内で高頻度実施となっているそうです。

1on1ミーティングの効果にはどのようなことが期待できるのでしょうか。

まず部下の職場や仕事へのエンゲージメントを高められ、仕事のパフォーマンスが向上することが期待されています(離職率低下にも一定の効果が期待できます)。

昔は飲みにケーションと言われていましたが、これは特定の人だけとの付き合いとなりますし、落ち着いて話せないため効果は限定されます。酔っていない状態でひとり一人を尊重ししっかり向き合うという姿勢が大切です。

「酔ってないと部下は正直に話さない」というのは偏見であり、マネジメント側の怠慢です。いつでも普通に話してもらえるように心理的安全性を含めて穏やかな関係を構築しておく必要があります。

そのため1on1ミーティングは上司側にも部下への接し方、傾聴スキル、コーチングスキルなどの人間的マイクロマネジメントに対して学びを促す効果があります。自分の気づいていなかった部分も多く、色々と学ぶことが多いはずです。

1on1ミーティング以外では上司として部下に様々な厳しい指示をしているでしょうから、1on1ミーティングのときは普段と異なり穏やかに相手の話を聴くに徹する姿勢になることが肝要です。

このように、1on1ミーティングは部下のエンゲージメントを高めるだけでなく、上司含め組織全体の良好な関係性、互いのマネジメント力、上司の自制力等を向上させる効果が期待できます。

具体的な面談の仕方は様々だと思いますが、事前に仮のテーマを設定し、お互い心の準備をしておくと会話がスムーズに始められます。

例えば、「仕事の進捗状況」「仕事での課題」「職場での悩みや認識している課題」「職場の改善提案」「部下から上司に話しておきたいこと」「健康面」「私生活を含め上司に知っておいて欲しいこと(例:資格取得したいため残業を少なくして欲しい、介護が発生したため適宜配慮をして欲しい等)」「上司からのフィードバック」といった項目を設定しておくのです。

個人情報まで入手してしまった場合、その情報の機密は徹底しなければなりません。うっかり他者に公言しないように注意します。また個人情報についてはメモをとらない、という取り決めはリスク管理としてあり得ます。

流行っている1on1ミーティングですが、実際にする際には課題が幾つかあります。

・上司と部下が面談をする時間を確保することが難しい。
・上司が威圧的あるいは面談スキルが低いと会話が弾まない。
・苦手の上司との面談は部下にとっては苦痛でしかない。

1on1ミーティングを成立させるには「最初に上司の部下への姿勢」がスタートラインです。換言しますと、上司の姿勢に1on1ミーティングの効果の成否がかかっています。

また1on1ミーティングを実施した結果、閉鎖空間での面談のため下記のような問題が発生するリスクがあります。

この部分の管理(パワハラ・セクハラ相談室の設置など)も考えておく必要があります。

・上司から異性の部下へ個人的な飲み会・食事の誘い
・閉鎖空間でのセクハラ
・1on1ミーティングの場での叱責
など

このようなリスク面を留意しながら、効果的に実施するのがよいでしょう。

新規事業開発においては各人に多くの役割を担ってもらうため、上司が個々の状態を細かく把握することが困難になってきます。メンバーが揃う定例会議以外に、各人と高頻度で1on1ミーティングを行うことで各人が感じていること、考えていること、課題、顧客インサイトなどを落ち着いて丁寧に吸い上げることは新規事業責任者(上司)にはプロマネとして必要です。

1on1ミーティングを数回実施して上手くいかなければ、頻度を少なくする、止めるという意思決定をして下さい。どの職場でも1on1ミーティングの効果がある、あるいは馴染むとは限りませんし、それで皆が悩むことは時間の無駄です。

1on1ミーティングもあくまでも組織パフォーマンス向上の一手段に過ぎず、必ずプラスの効果が得られると限らないことも認識しておくと良いでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次