【仕事力】メンタリングとコーチングの活用

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は「メンタリングとコーチングの活用」についてお話します。

顧客との精神的な信頼関係構築にメンタリングを活用し、意思決定者である顧客の潜在ニーズに対し顧客自身に気づかせたり、納得してもらうのにコーチングを活用できます。

具体的には、営業の基本である「顧客との信頼関係構築(メンタリング)と顧客目標達成の提案(顧客が意思決定することに躊躇しないような提案:コーチング)」に活用します。

「顧客と伴走」する営業をし、意思決定を促すのです。同時に顧客の潜在ニーズ発掘もでき新商品サービス企画へも貢献できます。

それではまず一般的な「メンタリング」について解説します。

メンタリングは本来人材育成方法の一つです。指導側を「メンター」指導される側を「メンティー」と呼びます。比較的社員数が多い企業では新入社員教育の一環としてメンター制度を導入しているところが多く聞き覚えがある方もいるでしょう。

ピグマリオン効果と異なり「メンター」には上司ではなく「メンティー」と年齢・立場の近い先輩社員を「メンター」として選出します。一方的に上から教えるティーチングではなくメンティーと目線を合わせて伴走し一緒に問題解決などを重ねることで人材育成していく方法です。

とても丁寧な人材育成制度です。従って、会社で働くに際して最も不安な入社後(入社時人事研修が終了し各部署へ配属後)に本方法を使用している企業が多いです。

メンタリングのメリット(例:新入社員への導入時)

【メンティー】精神面のケアが受けられる

仕事上の助言だけでなく、精神面のケアを受けられることで新入社員は会社での不安を軽減できます。

メンターは「何か困っていることはないか」「問題を抱えていないか」と気を配ることで、早期に一緒に対応することが可能となります。

⇒営業での活用

 営業パーソンが顧客は「何か困っていることはないか」「問題を抱えていないか」と気を配ることで、早期に適切な提案が可能となります。

【メンティー】先輩と信頼関係ができる

先輩メンターと対話を重ねることにより信頼関係が生まれます。何でも相談できる先輩ができることで職場に対して安心感を持てるようになります。

⇒営業での活用

 営業パーソンが顧客と目線を合わせて対話を重ねることで自然と信頼関係が出来て来ます。

【メンター】成長できる

メンターはメンティーを指導することで受容姿勢、傾聴力、伴走力、信頼構築力などのスキルを身に着けることができます。

⇒営業での活用

 顧客に対して受容姿勢、傾聴力、伴走力を発揮でき、信頼構築力が高まります。これは汎用的かつ頻繁に使うスキルでとても重要です。

次に「コーチング」について解説します。

自身も係長昇進時に部下育成手法の獲得を目的に外部講師研修を受講しました。

当時研究所で新サービス開発をしておりましたが、部下育成のみならず、テストマーケティングでターゲット顧客へ直接営業にいき、傾聴・質問・確認(承認)に徹したことで新サービスに対する必要件数を受注できました。

一方的な価値説明では顧客との会話が嚙み合いませんでしたが、傾聴、質問、確認(承認)に徹したことで顧客と会話が簡単に噛み合うようになりました。それを踏まえて自社の新商品のサービスを説明するため説明力も高まりますし、顧客も心を開いているため伝わるようになりました。コーチングスキルは会話が噛み合うだけでも効果が大きいと当時実感したものです。

その後、新規事業で必須であるニーズヒアリング、インサイト発見などの潜在ニーズリサーチにおいてもコーチングが有効であることを実務で確認してきたため、ここでコーチングを紹介しています。

一般社団法人日本コーチ連盟ホームページによると

・コーチングではコーチが「答えを与える」のではなく当事者が「答えを創り出す」サポートを行う。 この考え方は「答えはその人(当事者)の中にある」というコーチングの原則に基づいている。

・コーチングでは「答え」について「外から与えられた答えは情報」として、「自分(当事者)の内にある答えを納得感」として位置付けており、 後者の自分の納得感を重視している。

とあります。

これを営業で置き換えて考えると

・コーチングでは営業パーソンが「答えを与える」のではなく顧客が「答えを創り出す」サポートを行う。 この考え方は「答えはその人(顧客)の中にある」というコーチングの原則に基づいている。

・コーチングでは「答え」について「外から与えられた答えは情報」として、「自分(顧客)の内にある答えを納得感」として位置付けており、 後者の自分(顧客)の納得感を重視している。

となります。

如何でしょうか。コーチングの基本原則はわかって頂けたのではないでしょうか。相手(顧客)を説得するのではなく、顧客自身で納得してもらう技法なのです。顧客自身が納得しなければ意思決定してもらえません。

もう少し具体的な話をしますが、コーチ・エイ・アカデミア(https://coachacademia.com/coaching/)に一般的なコーチングについて具体的にわかりやすくまとめてありましたので、それをここでは営業パーソンが営業で活用する場合に編集して解説します。

コーチングをする人(営業パーソン)はコーチングを受ける人(顧客)に

・新しい気づきをもたらす

・視点を増やす

・考え方や行動の選択肢を増やす

・目標達成に必要な行動を促進する

ための効果的な対話を作り出します。ここで重要なのは営業パーソンがこれらを先導したり強制したりするのではなく、顧客が主体性を持ちながらそれを実現するところにあります。

そのため、コーチングでは、基本的に「教える」「アドバイスする」ことはしません。その代わりに、「問いかけて聞く」という対話を通して、顧客自身から様々な考え方や行動の選択肢を引き出します。

如何でしょうか。少し具体的なコーチングの活用イメージが沸いてきたのでなないでしょうか。

顧客に考えさせ、自身で納得し、意思決定してもらう、それに加えて潜在ニーズを発見することがコーチングを営業で活用する期待効果です。

コーチングの基本要素

コーチングに必要な要素は、大きく『インタラクティブ』『オンゴーイング』『テーラーメイド』の三つに分かれます。

【インタラクティブ】

インタラクティブとは「双方向」のこと。

顧客の反応を伺い、その上で様々なアプローチを営業パーソンは模索していきましょう。

インタラクティブを継続すれば、信頼関係の構築にも結びつきます。顧客から積極的に意見を発信してくれるようになれば、問題点の早期発見や優先すべき課題に一緒に気づくことが出来ます。

【オンゴーイング】

オンゴーイングとは「継続」のこと。

人間は本能的に行動や習慣を変えることを嫌うものです。禁煙やダイエットがなかなか続かないのはよくあること。よくなるとわかっていても、ついつい現状維持に落ち着いてしまいます。

この現状維持から簡単な変化を起こさせることが重要です。「これなら簡単にできる」と顧客が思える小さな変化から始めることが、後の行動(顧客からの本発注)につながっていきます。

【テーラーメイド】

テーラーメイドは「個別対応」のこと。

顧客、担当者によって考え方や価値観は異なります。同じ商品を提案しても共感する顧客もいれば、反発する顧客もいるのは当たり前のことです。顧客に合わせて対応することが、コーチングをより効果的に行うポイントです。

コーチングにおけるスキル

コーチングをより効果的に行うために必要なスキルの2つを紹介します。「ペーシング」「Disc理論によるパターンの分析」です。

【ペーシング】

ペーシングは「顧客と会話の呼吸を合わせる有名なテクニック」です。顧客の声の大きさや会話の抑揚、速さに自分のペースをあわせていくと、顧客に安心感や信頼感を抱かせることができると言われています。

顧客の仕草や表情を真似する『ミラーリング』や顧客の言葉を繰り返す『バックトラッキング』などは、ペーシングの手法として広く知られているものです。

心理カウンセラーやネゴシエイターなど、会話のプロと呼ばれる人達は皆、卓越したペーシングスキルを持っています。

これは訪問企業の玄関のところで意識すれば出来ますね。

【Disc理論によるパターンの分析】

Disc理論によると、人間の行動原理は4つのタイプに分類できます。

(主導型)

顧客のやり方で行動することを好み、営業パーソンから指示されることを嫌います。目標を一緒に設定し、方法は顧客に一任することが大切です。

(感化型)

顧客は社交的で感受性が豊か。話をすることが好きで自分は認められているのだと意識させることが大切です。

(安定型)

顧客は慣れ親しんだやり方を好み、変化を嫌います。営業パーソンは行動をより具体的にして、不明確な点を潰していくことが重要です。

(慎重型)

顧客は感情よりもデータや論理を優先するタイプ。営業パーソンはできる限りデータや論証を提供し、顧客の納得のいくやり方をさせることが重要となります。

如何でしょうか。営業ノートに顧客の性格を上記4分類で仕訳けておけば対応出来ますね。

ここまでは下地づくりの話でしたが、ここからが営業成果を出すための重要な部分です。

【現状とゴールの確認】

コーチングでもっとも重要なのはゴール(成果)です。ゴールが設定できていなければコーチングの意味はありません。営業パーソンのゴールは営業成果、顧客のゴールは顧客の目標達成です。これが共通でなければなりません。

まず営業パーソンは顧客がどのようなゴールをイメージしているのかを聞き出し、受注できるゴール設定を顧客自らできるようにサポート、誘導する必要があります。

また社内における顧客自身の立ち位置や意思決定権限についても正確に把握し、誰が最終意思決定者なのか、そこにたどり着くまでの承認ルートを確認しておきます。

【受注障害の確認】

ゴールに設定した理想的な状態と現状が一致していないのは、間に何らかの障害があるからです。まずはその障害が何なのかを営業パーソンは把握しておく必要があります。

その障害を顧客が超え意思決定できる提案を営業パーソンは行います。

【行動計画(プラン)の作成】

ゴール設定および障害が確認できたら、具体的な行動計画(プラン)の作成をし実行あるのみです。

「メンタリングとコーチングの活用」は営業に限らず、折衝、コミュニケーションがある場面すべてにおいて活用できますので是非身につけて、公私ともに豊かな生活を獲得して下さい。

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