【新規事業】ニーズとウォンツ
アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。
本日は、「ニーズとウォンツ」についてお話します。
ミクロマーケティングでの会話で頻繁に出てくる基礎的な言葉ですのでその違いを理解しておきましょう。
例で説明した方が分かりやすいので例示します。
ニーズ:お腹がすいた。 I feel hungry. I need something to eat.
ウォンツ:ラーメンを食べたい。 I want to eat ramen.
ニーズとは「欲求を抱えた状態、欲求が発生した状態」であり、ウォンツは欲求を満たすための具体的な手段です。
ニーズは1つの状態ですが、それを満たす手段(ウォンツ)の数はたくさんあります。
お腹をすかした人がレストラン街に入ってきました。そこには20店舗も飲食店があります。すなわち、その人が意思決定できる手段(ウォンツ)は20個(店舗数ベースであり、メニューベースでは遥かにその数は多い)あることになります。
最終的に1店舗を選択し、ニーズを満たします。すなわち「おカネをもらえるのはウォンツ」からなのです。ニーズからおカネをもらえるわけではないことを理解しましょう。逆にニーズがなければウォンツも必要なく商売にならないのです。
数学的な表現をすれば「ニーズは必要条件」「ウォンツは十分条件」でこれが両方揃うことで必要十分条件となり顧客はニーズを充足させることができ「金銭の授受(商売の成立)」が生まれるのです。
例えば「不老不死のニーズ」はあってもそれを充足できる手段(ウォンツ)は存在せず、必要十分条件が成立しないためこのニーズは満たすことはできないのです。つまり「商売にはならない」のです。
ニーズとウォンツの関係を飲食店(企業)から見ると、ニーズを持った人が来て、自社の商品をウォンツとして選択してくれるかが重要なのです。
企業が出来ることはニーズを作ることでなく、ニーズのある状態のときにオンデマンドで魅力的な商品提供とプロモーションをすることです。自社の商品をウォンツとして選択、意思決定してもらうことがビジネスなのです。
I want to eat your company’s dishes. と意思決定してもらうことで売上となるのです。
ニーズがあっても自社の商品がウォンツとして認められなければ売上はたちません。
ニーズはあることは間違いないのに自社の商品が売れずに嘆いている場合、自社の商品がウォンツになっていないということなのです。ウォンツになるように商品を改善あるいは変更する必要があるのです。
ニーズはコントロールできませんがウォンツは自社でコントロールできます。
ニーズは顧客の欲求、ウォンツは商品、と考えておけばよいでしょう。
薬局の出店戦略として病院の近くに出店するという王道があります。病院にくる患者は「薬のニーズ」があるため、ニーズのある場所に出店し自社の商品をウォンツとして提供することで商売になるからです。
ニーズの発生する場所、タイミングなどを考慮して企業はマーケティング戦略を立てていけばよいのです。