【新規事業】音商標とブランド認知

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、「音商標とブランド認知」についてお話します。

商標についてはこちら(【新規事業】商標登録 | IB Designers (ib-designers.com))で解説しました。

商標は自社を顧客に感覚的に認知してもらう便利なツールですし、ブランド価値を強化する威力があります。

商標の中に「音商標」というものがあるのをご存じでしょうか。

特許庁によりますと音商標とは、音楽的要素(メロディー、ハーモニー、リズム又はテンポ、音色等)のみからなる商標とあります。すなわち、聴覚で認識される商標のことです。「商標」というと、文字や図形(ロゴ)からなる商標を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、音についても商標登録することができるのです。

特許庁では、企業のブランド戦略の多様化を支援するため、従来の文字や図形に加え、音商標、動き商標、色彩のみからなる商標などの新しいタイプの商標について、平成27年4月1日から出願受付を開始しています。

新しいタイプの商標は、言語以外の多様なブランド発信手段として、企業のブランド戦略に大きな役割を果たすことが期待され、特許庁は企業のブランド戦略構築を支援しています。

https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/newtype/otoshouhyou-hatsutouroku.html

実例を紹介した方がわかりますので幾つか紹介していきます。

音商標の登録第1号は、テレビコマーシャルでお馴染みの久光製薬会社の「ヒサミツ♪」という商標です。リズム、メロディーに「ヒサミツ」という言語が組み合わさって、音商標を構成しています。

登録番号:第5833615号
権利者 :天藤製薬株式会社
商標  :痔にはボラギノール

登録番号:第5985746号
権利者 :大幸薬品株式会社
この商標はラッパのメロディーからなる商標です。ラッパのマークの正露丸でお馴染みの大幸薬品株式会社の音商標です。歌詞(言語的要素)がなく音楽的要素のみで構成されています。

登録番号:第5805757号
権利者 :株式会社 伊藤園
商標  :おーいお茶
CMでお馴染みの音声からなる商標です。

登録番号:第5969114号
権利者 :アサヒグループホールディングス株式会社
商標  :アサヒスーパードライ
こちらもビールのCMでお馴染みの音声からなる商標です。

登録番号:第5985746号
権利者 :大幸薬品株式会社
商標  :「ファイトー」「イッパーツ」

登録番号 : 第5805582号
権利者 :味の素株式会社
商標  :あじのもと

第6109573号
権利者 :タマホーム 株式会社
商標  :ハッピーライフ ハッピーホーム タマホーム

如何でしょうか。これらの登録例を見てご理解頂けたと思います。CMでお馴染みのラッパのメロディーを聞くと「大幸薬品の正露丸」と認識してしまいます。「おーいお茶」という音声を聞くと「伊藤園のお茶」と認識してしまいます。テレビ画面を見ていなくてもラジオなどでこのような音を聞くことでそのブランドを想起させることができるのです。

恐らくブランドは「音で覚えているケース」が多いのではないでしょうか。文字やロゴは思い出せないけど「あの音」はよく覚えているというものばかりです。

すなわち、「音商標」とはブランド認知・浸透させるのに非常に大きな効果を発揮すると言えるのです。

あのメロディー、あのフレーズが耳から離れない!ということありますよね。それだけ視覚より影響を与えるのです。

どのような音商標が出願・登録されているのかは、特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)を使用して、簡単に確認することができます。

新商品を消費者へ認知してもらう、自社ブランドを末永く身近なものとして覚えてもらう、ために音商標は有効です。

是非、検討して見てください。

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