【トレンド】シェアリングエコノミー

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、「シェアリングエコノミー」についてお話します。

シェアリングエコノミーは日本でもかなり普及しておりご存じの方、多いと思います。実際に自動車や自転車などシェアリングエコノミーサービスを使ったことがあるという人もいらっしゃると思います。

環境負荷軽減、循環型社会実現のために今後も拡大していくと予想されますのでここで改めて少しまとめてみます。

総務省ではシェアリングエコノミーを下記のように定義しています。

シェアリングエコノミー(個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動をいう。)はITの普及・高度化に伴い、空き部屋、会議室、駐車スペースや衣服のシェア、家事代行、育児代行、イラスト作成のマッチングなど多様な分野で登場しつつあり、一億総活躍社会の実現や地方創生の実現など、超少子高齢化社会を迎える我が国の諸課題の解決に資する可能性があります。

(出典:総務省|地域力の創造・地方の再生|シェアリングエコノミー活用推進事業 (soumu.go.jp)

従来は企業が消費者あるいは企業にモノやサービスを販売・提供するというBtoCあるいやBtoBというBからの提供形式が中心でした。シェアリングエコノミーでは、消費者間で取引をするCtoCの形式が多いという特徴があります。

CtoCのサービスでは企業が消費者に直接商品やサービスを提供することはなく、事業者(プラットフォーマー)が消費者どうしをつなぐ(取引する場)Webサイトやアプリなどのプラットフォームを提供します。

端的に表現すれば「ニーズのマッチングビジネス」です。

シェアリングエコノミーは2000年代後半米国のシリコンバレーで始まりました。空部屋の持主と安く宿泊したい旅行客等をマッチングする民泊仲介サービスを展開している「Airbnb(エアビーアンドビー)」、移動したい利用者と自家用車のドライバーをマッチングさせる配車サービスを展開している「Uber(ウーバー)」が有名です。この頃、日本のビックサイトなどのセミナーでこの2社の紹介は必ずありました。

日本では白タクは禁止されていることからUberは展開できませんが、Uber Eatsは上陸しました。

シェアリングエコノミーが登場普及した背景には、誰もがスマートフォンを使っていつでもどこでも情報を簡単に公開し、消費者同士で共有することができるようになったこと、オンライン決済が普及したことが挙げられます。

換言しますと、スマホによりあらゆる取引と決済がいつでもどこでもできる環境となったことが新たなビジネスモデルを生んでいます。ホテル等のダイナミックプライシングもその一例です。

また人々の価値観の変化もあります。欧米では古いものを大切に長く使うという文化が元々ありました(リサイクル)。日本も生活が豊かになり成熟社会となり、特に若い世代は車やブランドといったモノへの欲が低く、満足できる体験やサービスを求める「コト」へと変化していることもシェアリングエコノミーを後押ししています。

シェアリングエコノミーサービスの事例を見てみましょう。

<空間をシェアするサービス>

民泊のAirbnbは有名ですがそれ以外に駐車場などのスペースをシェアリングするサービスが生まれています。

・株式会社スペースマーケット

サービス | 株式会社スペースマーケット | 場所のチカラで あなたにエール (spacemarket.co.jp)

スペースマーケットは、あらゆるスペースを簡単に貸し借りできるWebプラットフォームです。

掲載スペース数は現在1万2千件を超え、時間貸しプラットフォームサービスの中では掲載数において日本最大です。スペースのジャンルは、イベントスペース、会議室、撮影スタジオ、映画館、住宅等。

・株式会社スペイシー

SERVICE – 株式会社スペイシー | Spacee Inc

貸し会議室の予約サービス「スペイシー」。好きな時間に、好きな場所を、お手頃な値段で。 貸し会議室・レンタルスペースの予約サイト。個室の貸会議室や研修、勉強会、セミナー会場をはじめ、レンタルキッチン、撮影スタジオ、パーティー用レンタルルームなど、格安からハイグレードまで豊富な情報と口コミを掲載しています。英会話教室、料理教室、稽古、ダンスレッスン、パーティーなどの用途に使用されています。

・株式会社Mellow

株式会社Mellow | 店舗型モビリティビジネスのプラットフォーム

コロナ禍で店内で飲食が出来なくなり、キッチンカーが注目を集めました。

元々、屋外の空スペースとキッチンカー事業者をマッチングさせオフィス街で働く人のためのランチスポットを提供する事業を展開していましたが、マンションや住宅街へも展開し、外出自粛中の一般家庭やテレワーカーに好評を得ています。

・株式会社アドレス

ADDress【公式】|定額住み放題 多拠点生活プラットフォーム

ADDressは、日本各地の空き家を活用した、住まいのサブスクサービス。定額制の全国住み放題サービスを展開しています。月額4.4万円から居住することができ、サービス利用中は何度でも移動することができます。初期費用や光熱費はすべて込み。Wi-Fi・家具家電など生活や仕事に必要なものは完備しています。

<移動手段をシェアするサービス>

Uberは日本で展開できませんが、Uber Eatsもこれに該当します。個人の自転車やバイクを使ってモノを運ぶ(米国のUberは個人の自家用車を使って乗客を運ぶ)。

・OpenStreet株式会社

HELLO CYCLING – 好きな場所で返せるシェアサイクル

HELLO CYCLINGというシェアサイクリングサービスを展開しています。HELLO CYCLINGのロゴがある無人ステーションであればどこでも借りられ、返却場所はHELLO CYCLINGステーションであれば借りた場所でなくても返せます。

・NTTドコモ

バイクシェアサービス|自転車シェアリング (docomo-cycle.jp)

ドコモ・バイクシェアサービスを展開しています。乗りたい時に借りて、行きたい場所で返すことができる自転車のシェア(共有)サービスです。サイクルポートにある自転車にICカードをタッチすることで誰でも借りることができます。

<モノをシェアするサービス>

これは中古品リサイクルやフリーマーケット等、リアル店舗では多く存在していました。これをネット上に持ってきたものです。

・株式会社メルカリ

メルカリ – 日本最大の売れるフリマサービス (mercari.com)

自宅にある不要となった物品などをメルカリのプラットフォームに出品し、購入希望者と金額など合意した上で取引が行われます。ヤフオクや楽天という2強がある中で急成長したサービスです。簡単に不用品を売買できるサイトの使いやすさ、支払いトラブルを回避する独自の決済方法、匿名配送など、利便性の高さと安心感が高く評価され急成長を遂げました。メルカリを利用すると簡単に物品を売ることができるので、商品の売却を意識して購入する人が増えてきています。

またメルカリはセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンと安心・安全な取引環境の構築に向けた包括連携協定を締結し、利便性と安心安全の向上に努めています。

・ラクサス・テクノロジーズ株式会社

【公式】ラクサス|憧れのブランドバッグがレンタルし放題のファッションアプリ。バッグが交換自由で借り放題の新しい定額レンタル(ブランドバッグのサブスク) (laxus.co)

ブランドバッグのサブスクスクリプションサービスを展開しています。60の有名ブランドバッグを月額定額制で使い放題。CtoCではないですが、個人で購入することが難しい高級ブランドバッグを多くのユーザーでシェアするモデルです(レンタルモデルと同様)。

・株式会社エアークローゼット

【公式】airCloset(エアークローゼット) | プロが選ぶコーデが届く、ファッション(洋服)サブスク・レンタル (air-closet.com)

月額制ファッションレンタルサービス『airCloset』を展開しています。職場の女性社員にも好評でしたが、プロのスタイリストが利用者の属性や好みなどにあわせて服を選んでくれ、忙しく働く女性のニーズを捉えて注目を集めています。

<スキルをシェアするサービス>

スキルを個人間(CtoC)でシェアリングするサービスはたくさんあります。

・株式会社ビザスク

株式会社ビザスク (visasq.co.jp)

ビジネス領域特化のナレッジプラットフォームを提供しています。スキルというよりは各業界で働いた経験をもっている人から業界特有の一次情報を得たいときに利用するものです。目的は様々ですが、新規事業開発する前に業界知識を収集する場合、サービスアイデアが出たときにそれに対してニーズの有無を確認する場合、営業で各業界の意思決定プロセスを知りたい場合等に利用されています。

・株式会社ココナラ

ココナラ – プロが集まる日本最大級のスキルマーケット (coconala.com)

個人が保有する知識・スキル・経験とそれを必要とする人とをマッチングさせるプラットフォームを提供しています。スキルのカテゴリーは、Web制作、デザイン、プレゼン資料作成、チラシ作成、専門家相談など多岐に渡っています。

同様のサービスを「クラウドワークス」も提供しています。

クラウドソーシングは日本最大級の「クラウドワークス」 (crowdworks.jp)

・Udemy

オンラインコース – いろんなことを、あなたのペースで | Udemy

教えたい人と教えて欲しい人をマッチングさせるプラットフォームを提供しています。カテゴリーは、デザイン、開発、マーケティング、IT、プログラミング、ビジネススキル、写真、音楽など。

同様のサービスを「ストアカ」も提供しています。

ストアカ | 教えたいと学びたいをつなぐまなびのマーケット (street-academy.com)

・株式会社タスカジ

株式会社タスカジ (taskaji.jp)

家事代行マッチングプラットフォーム「タスカジ」を提供しています。多彩な家事スキルを活かして働くハウスキーパー(タスカジさん)と、家事をお願いしたい人とをつないでいます。掃除から料理、作り置き、整理収納までのシェアリングエコノミーサービスです。

<お金をシェアするサービス>

代表的なものにクラウドファンディングがあります。クラウドファンディングとは、プロジェクトの発案者がインターネットで支援者から資金を集め目標額を達成すれば実際にプロジェクトを実行するというものです。プロジェクト実行後の完成した商品やサービスが支援者に提供される購入型とリターンのない寄付型の2種類があります。

・株式会社マクアケ

Makuake(マクアケ)|アタラシイものや体験の応援購入サービス

「マクアケ」は購入型のクラウドファンディングサービスです。新しいものや体験の応援購入サービスに力を入れています。

「Makuake」のプロジェクト掲載基準は下記3つの方針となっています。

  • プロジェクトの要素に「アタラシイ」があること
  • 実行者にとって「挑戦」や「ストーリー」があること
  • 基本条件をクリアしていること

・READYFOR株式会社

クラウドファンディング – READYFOR(レディーフォー)

「READYFOR」は日本初・日本最大級のクラウドファンディングサービスです。2011年3月から1万件以上のプロジェクトを掲載し、100億円以上の資金が集まる、日本最大級のクラウドファンディングサービスとして成長しています。購入型、寄付型の両方を扱っています。社会課題解決型プロジェクトが多いように思います。

・株式会社CAMPFIRE

CAMPFIRE, Inc. – 株式会社CAMPFIRE

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)は、誰でも無料でカンタンに資金調達に挑戦できる国内最大のクラウドファンディングです。CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤー オーナーズ)は資金需要者と投資家(支援者)をつなぐ融資型クラウドファンディングサービスです。資金需要者には「資金調達」と「応援を受け取る」場を、投資家(支援者)には「利回り」と「応援を届ける場」を提供しています。

以上事例を幾つか紹介しました。

このようにシェアリングエコノミーの大半は提供者と利用者をつなぐCtoCのマッチングサービスです。すなわち、自社で在庫や商品を所有する必要がありません。すなわち、事業内容を変更したいとき、あるいは新規サービスを立ち上げるときには、今まで通りインターネット上にプラットフォームを用意し、そのときのニーズに適合したサービス内容に変更するだけです。時代のニーズ変化に対し費用もほとんどかけず柔軟に対応できる点が特徴です。

まだ新しいマッチングの事業機会はたくさんあります。皆様、探してみては如何でしょうか。

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