【新規事業】バーンレートとランウェイ

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、「バーンレートとランウェイ」についてお話します。

この言葉はスタートアップにおいて使用される経営指標(資金管理指標)のことです。

スタートアップはVCなどから資金調達し、その資金を使って事業を立ち上げ、PMFし、売上を増やしながら、シェア拡大を図っていきます。キャッシュフローをプラスにすることよりもシェア拡大を優先するため先行投資を進めていきます。

しかしこの資金が枯渇してしまうと、事業を進めることができなくなってしまいます。

この資金枯渇を防ぐために、バーンレートとランウェイという指標で資金管理します。

バーンレートとは「ネットバーンレート(Net Burn Rate)」のことで、毎月実際に出ていくキャッシュフローのことです。具体的には、キャッシュベースでの費用から売上を差し引いた額のことです。

今月どれくらいの速さでキャッシュが減っているか、を表現するものです。

ランウェイは「資金が枯渇するまでに残された時間」という意味です。例えば、バーンレートが100万円/月で手持ちの資金が1000万円だとすると、1,000÷100でランウェイは10ヶ月ということになります。

ランウェイは次の資金調達をいつまでにしなければならないのか、という指標です。

VCから資金調達するスタートアップの場合、18ヶ月分の資金を確保するというのが一般的です。1年間の事業進捗を確認し、その進捗をベースに改めて資金調達をする。12ヶ月だとピッタリで余裕がないため、安全しろとして18ヶ月程度のランウェイを確保しています。

しかし実態は、スタートアップは売上が急上昇するフェーズがあり、毎月の売上が変わっていきます。このような場合、1年間という期間で考えるのではなく、もっと短期間で次の資金調達計画を立てておく必要があります。

順調に事業が進んでいるスタートアップは、ランウェイを確認しながら、次の資金調達を実施し、事業へ追加の投資をし、着々と事業拡大していきます。事業が順調なため資金調達もしやすいのです。

一方、事業が順調でない場合はどうでしょう。売上が見通せず、資金がどんどんなくなっていっている状態です。PMFまで到達できていない。このような状況においては次の資金調達は難しくなってきます。このとき、経営者は一定の期間と投資を実施してもPMFできなかったと結論づけ、撤退するという意思決定もありえます。

あるいは当初の仮説が違っていることを確認し、その周辺に真のニーズがあることを発見できていた場合はピボットして再チャレンジ(追加の資金調達をして粘る)という意思決定もあります。

注意しなければならないのは、「最初の仮説にこだわり過ぎて、それを立証することが目的」となってしまうことです。最初の仮説は間違っていることがほとんどです。市場と対話し、適切にPMFしていくことが重要ですが、そもそもPMFも出来ないほど大きく外れていたのでしたら諦めて出直すという意思決定の方が、賢明だと思います。

既存企業においては「運転資金管理」が一般的ですが、スタートアップは特殊で上記のような資金管理を行うのです。

【仕事力】運転資金の管理 | IB Designers (ib-designers.com)

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