【新規事業】商標法①

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、「商標法①」についてお話します。

まず商標の管轄は特許庁で行っています。特許庁のホームページ(https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/seidogaiyo/chizai08.html)では、

商標とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)、と定義しています。

消費者は、商品を購入したりサービス(役務)を利用したりするとき、企業のマークや商品・サービスのネーミングである「商標」を一つの目印として選んでいます。商標に「信頼がおける」「安心して買える」といったブランドイメージがついているからです。商標は、「もの言わぬセールスマン」と表現されることもあり、商品やサービスの顔として重要な役割を担っています。

このような、商品やサービスに付ける「マーク」や「ネーミング」を財産として守るのが「商標権」という知的財産権です。

以上のように特許庁ホームページに記載されています。

この「商標」(自己の商品やサービスを消費者に認知させ、他の商品やサービスから識別させる標識のこと)を保護するための法律が「商標法」です。

商標法1条に商標法の目的が規定されており、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者(消費者などのこと)の利益を保護すること、としています。

すなわち、企業のブランドを保護(信用の維持)するための法律です。商標が営業上で信用を得るためにはかなりの時間をかけた努力が必要であり、その商標を他者に無断で使用されることを防ぐ役割があります。無断で使用されることで、信用を失墜させられたり不利益を被る可能性があるからです。

また商標は産業の発達に寄与することが目的であることから、産業財産権に分類されています。また商標法は標識法に分類されます(特許法、実用新案法、意匠法、著作権法は創作法に分類されます)。標識とは、「表示」の意味です。

また商標法は特許法などと同様、権利付与法に分類されます。権利を付与されることで保護対象となるというものです。また権利を付与されるために、登録が必要であり、登録主義となっています。

商標は特許庁が登録要件の審査を行い、審査を通過して、特許庁に登録(設定登録)されることで権利が発生し、保護対象となり、独占的な使用権が付与されます。これを登録主義といいます。創業あるいは新商品の発売前に商標を登録することができます。発売前から商標を含んだ商品デザインにすることができる等のメリットがあります。また特許同様、先願主義(早いもの勝ち)が原則です。

商標には独占的な使用権が付与されることから以下のような機能を発揮し、ブランド価値向上を図ることができます。

  • 出所表示機能 :どこの会社、メーカーの商品、サービスかが一目でわかること。他者はその商標を使用できないため、誤認識することがない。
  • 品質保証機能 :商標の会社の信用をそのまま表示できる。
  • 模倣防止機能 :商標は独占的使用権のため他者に模倣されない。
  • 宣伝広告機能 :商標を付した商品が広く普及することで、商標を通じた企業宣伝ができる。会社名より商標を覚えている場合も多く、企業名ブランドより商標ブランドの方が認識されているケースも多い。

また不正競争防止法というものがあります。本法律の目的は第1条に規定されており、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与すること、とされています。

参考までですが、商標登録されていなくても、不正競争防止法第2条では、他人の商品等表示として需要者の間で広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為を不正行為、として禁止しています。

以上のように、「商標」は企業および商品サービスのブランド構築に大きな力を発揮します。広告費、営業費を削減するため、顧客を固定化するためにも「商標を活用したブランド戦略、販売戦略」は重要なのです。

是非、商品やサービスを開発したらすぐにローンチしてしまわず、「商標」も合わせて開発してからローンチすることを強くお薦めします。

次回は、商標の登録手続きや登録要件などについてお話します。

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