【新規事業】マーケティング

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、マーケティングについてお話します。

マーケティング戦略とは、ターゲット市場において自社が置かれている状況を客観的に把握した上で中長期的な販売計画を考える行動のことをいいます。

具体的には、消費者ニーズ、自社の強み・弱みの把握、競合他社の動向といった情報(3C)を分析することが標準的です。分析結果に基づき消費者に何を売るべきか、自社製品サービスをどのようにアピールすれば自社の売上につなげられるかを論理的に考えるのです。

マーケティング戦略が重要視されている理由は、生活が豊かになり消費者は必要なもの(生活必需品)をすでに所有しており、追加的な商品を売ることが難しくなっていることが挙げられます。またこの追加的な購買部分は消費者のライフスタイルや価値観、優先順位に影響され、ニーズが多様化する領域なため大きな売上をあげることが難しいのです。

このような社会環境の中で企業が売上をあげるためには、消費者ですら意識できていない悩みや願望(潜在ニーズ)を丁寧なリサーチによって発見しそれを解消する商品やサービスを開発する必要があり、企業にとってマーケティング戦略が重要になっているのです。

マーケティング戦略の上位概念に「経営戦略」があります。経営戦略は「企業が安定かつ持続的成長するためにヒト・モノ・カネ・情報の資源を最適に配分させること」です。「企業の売上や利益を伸ばすための戦略」という点は共通していますが、市場(外部)に焦点を当てるのか、社内リソース(内部)に焦点を当てるのかという点に違いがあります。経営戦略を基本戦略・企業戦略、マーケティング戦略を機能戦略と呼ぶことがあります。

マーケティングの実務は非常に幅広いです。最後にマーケティング実務の一部を紹介します。

テストマーケティングあるいは既にある商品を販売営業している際、「購入の契約をして頂けなかった顧客」に対して、その理由と背景、事情などをお聞きし、現在の商品のターゲット顧客になるのか、あるいはどのような改善をすれば購入して頂けるのかを分析するということもマーケティングの実務です。

例えば、老人介護施設へ介護士のe-ラーニング教材を販売しようと考えた場合、介護施設は紙文化であり、そもそもパソコンがない、ましてタブレットなどない、ということがあります。そこから設備導入するとなると予算確保が必要であったり、パソコンの使い方を教える必要があったりと現場ではかなりハードルがあるのです。

このような現場を理解した上で、自社の商品をどのようにすれば受け入れられるのかを考えていくのです。作れば売れるという時代ではないのです。このようなきめ細かな部分も含めてマーケティング戦略なのです。

逆に現在世の中で「売れている新商品」について「なぜ売れているのか」を分析することも大切です。恐らく上記のように苦労しながらプロダクト・マーケット・フィットして売れるようになった完成形です。

この完成形から学ぶことも多いでしょう。出来れば当該商品の開発者に完成形までに至った工程(PMFのプロセス:PDCA)をヒアリング出来たらより有意義でしょう。

マーケティングは人気のある領域ですが、「試行錯誤のPDCAにより顧客のインサイトに近づき、PMFさせていく」という現場の泥臭い仕事なのです。しかし様々な発見がありとても興味深いものです。きっとマーケティングが好きになるでしょう。

(参考)販売志向とマーケティング志向

マーケティング志向は上記の通り顧客ニーズに合致した商品を開発して販売していく考え方で売れる商品が関心の対象です。一方、販売志向は作った商品を「どのようにプロモーションして売るか」という考え方で売り方が関心の対象です。戦後のモノが不足している時代では冷蔵庫、テレビ、洗濯機などは「誰もが欲しい商品」であり、ニーズに合致しているかを考える必要がありませんでした。関心は競合他社の商品ではなく自社の商品を如何に顧客に購入してもらうか、でした。現在で言えば「スマートフォン」が販売志向となっています。

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