【仕事力】キャッシュ・コンバージョン・サイクル

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

資金管理のところを少しずつ掘り下げていきます。

商品(棚卸資産)の仕入から売上代金の回収までの期間を「オペレーティング・サイクル」といいます。さらにこの期間の中で、仕入代金の支払(キャッシュアウト)から売上代金の回収(キャッシュイン)までの期間を「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」といいます。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルが長いとその分だけ資金繰りが悪化します。キャッシュ・コンバージョン・サイクルの間は入金がないため手許現金が不足している場合、短期借入等による資金調達が必要となり、その分支払利息が発生してしまいます。

また手許現金が不足していない場合でもキャッシュ・コンバージョン・サイクルの間は棚卸資産や売上債権の形で資金が拘束(眠っている)される状態となるため機会原価が発生します。

以上の2点よりキャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くする必要があります。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルを短縮する方策には、
・在庫圧縮による棚卸資産回転期間の短縮
・現金回収条件の厳格化による売上債権期間の短縮
・仕入先と交渉し仕入債務回転期間の延長(支払期限の延長)

があります。

尚、在庫圧縮をやり過ぎると在庫切れが生じ販売機会を失うリスクがあるため注意が必要です。

オペレーティング・サイクルの短縮はキャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮を通じて行われますが、棚卸資産回転率、売上債権回転率を高めることから資本回転率も向上し、売上高利益率一定とすれば資本利益率(収益性)も向上します。

このように「資金を寝かせる拘束期間」を短くすることで資金繰りおよび収益性も向上させることができます。

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