【新規事業】既存事業と知財⑩

ライセンス契約での留意点は以下の通りです。

1.契約範囲の明確化
 許諾される範囲や利用方法を明確に定義します。特許や商標の使用範囲や製品の販売地域、契約期間などを後でトラブルにならないように具体的に記述しましょう。

2.利益配分と報酬の設定
 利益配分や報酬の設定をします。双方の利益やリスクを考慮して公平な条件で合意し、実施料と算定方法、支払い時期などを明確に定めましょう。

3.知的財産権の保護と権利侵害の規定
 知的財産権の保護に関する規定を含めます。契約違反や権利侵害に対する制裁や救済策、権利侵害の報告や通知手続きなどを明確に規定しましょう。

4.知的財産の品質管理と品質保証
 ライセンサーがライセンシーに対して知的財産の品質管理や品質保証を求めることがあります。品質管理の基準やテスト方法などを明確に規定しましょう。

5.契約終了と解除条件
 契約の終了や解除条件を規定します。契約の期間や更新の可否、重大な契約違反に対する解除権の行使条件などを定めましょう。

6.知的財産の追加や変更に関する規定
 追加の知的財産の許諾や既存知的財産の変更に関する規定を含めることがあります。追加の特許や商標の許諾手続きや条件、既存知的財産の変更に関する通知手続きなどを明確に規定しましょう。

7.独占的または非独占的な契約形態の選択
 独占的または非独占的な契約形態を選択する必要があります。独占的な契約では、ライセンサーは他のライセンス契約を結ぶことができず、ライセンシーは特定の地域や市場で競合他社に対して優位性を持つことができます。尚、専用実施権を設定するとライセンサーも実施できなくなるためそのような設定をするケースは実際は少ないです。

8.秘密保持義務
 秘密情報の定義や取り扱い方針、機密情報の開示や使用に関する手続きや制約などを明確に規定しましょう。

9.紛争解決手続き
 訴訟手続きや仲裁の適用、管轄裁判所の指定、和解や交渉の方法などを明確に規定しましょう。

10.法的効力と準拠法の選択
 契約の成立条件や法的効力、準拠法の選択、契約書の言語などを明確に規定しましょう。

これらの注意点を考慮しながら、ライセンス契約を慎重に作成し、双方の利益やリスクを適切にマネジメントすることが重要です。

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