【新規事業】グローバル展開が前提

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、日本のスタートアップと海外スタートアップの前提の違いについてお話します。

日本企業の新規事業、日本のスタートアップは通常ターゲット市場は日本国内市場です。

一方、欧州企業の新規事業、スタートアップは「最初からEU域内あるいはグローバル展開を想定」しているケースが日本より多いです。具体的には特許出願を見ると日本企業に比べ、欧州企業は国際出願している割合が多いのです。

欧州の国の人口はイギリスでさえ約6800万人、スタートアップが多く生まれているフィンランドの人口は550万人です。フィンランドのスタートアップが国内市場だけをターゲットにしていたら非常に小さなビジネスとなってしまいます。従って、「グローバル展開を前提」にするしかないのです。フィンランドは小国でありながら所得が高く裕福であることはご存じかと思います。

グローバル展開を最初から前提とすると、その新規事業を最初に開始するのは自国である必要はありません。もっとも事業成功確率が高い国を選択して事業を開始し、その後、自国に逆輸入するという順番でもよいのです。すなわち自由度が増えることで市場も大きくなりますし、事業成功確率も高めることができます。

一方、日本は今後益々人口減少が加速していきます。これは確定した未来です。人口予測の確度は他の予測よりも精度が高いためそのように言われています。

人口が増えていく、経済が成長していく環境下で新規事業を成功させることは比較的容易であり、競合が既に存在する類似ビジネスを展開してもパイが増えていくので何とか上手くやれてきました。しかし人口減少で市場が縮小していく環境では倒産する企業が増えていき、その中で新規事業を始めて成功させることは以前とは比較にならないほど難しいのです。

しかも今日本で新規事業を開始して一定の成功を収めたとしても、今後人口が急激に減少し市場が縮小、さらに平均所得も低い日本で継続して成長拡大していくことは難しいでしょう。ですから日本のこれからの新規事業、スタートアップはフィンランドのように最初からグローバル展開(商品、サービスの輸出を含む)を前提に考えることが必要ですし、そうでなければ日本の平均所得を上げていくことは困難でしょう。

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