【トレンド】リーガルテック

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、「リーガルテック」についてお話します。

「リーガルテック(Legal Tech)」とは法律と技術を組み合わせた造語です。法律の分野は判例などが重視されまさに紙文化であり、最近は紙が電子化され電子ファイルとして利用されています。しかし相変わらず欲しい文献を探索するという手間がかかっており、顕著な業務効率化は図れませんでした。

そこに人工知能技術のひとつであるテキストマイニングが応用され、人が探す代わりにAIが探すことで探索業務の効率化が少しずつ図れるようになってきています。これがリーガルテックが注目され始めた理由です。

法律や知財を扱うのは弁護士や弁理士という専門家であり、企業内においても法務部、知財部というスペシャリストが業務にあたっています。しかし契約書締結や特許明細書作成などその仕事は定型的なものがほとんどであり、日常業務は契約書のひな形をベースに各原局からのチェック依頼に対応するというルーティン業務が大半を占めています。

言い方は悪いですが、契約書のチェックというのは付加価値の低い業務である一方で、ひとつひとつ抜け漏れがないように丁寧にチェックしていかなければならない神経と眼を使う時間のかかる面倒な業務です。

結果、労力がかかるが生産性が向上しない部門であり、かつ属人的なものになっていました。

ここに大量のデータをクラウドに蓄積し、人工知能に学習させ、人工知能にチェックさせる技術が開発されました。人工知能が画像解析と同様、「正解の契約書パターンを学習させたAI」が原局よりチェック依頼された契約書で不足している部分や間違っている部分を判定、明示します。

これにより法務部門担当者は人工知能が指摘した部分だけをチェックすればよく、また人工知能がどのように修正すればよいのかもレコメンドしてくれますので短時間に契約書チェック業務を終わらせることが出来ます。人工知能は優秀なアシスタントという役割です。

定型業務から解放された時間は、戦略的交渉の段取りや戦略的な特許出願計画策定などクリエイティブな業務に充てることができ、生産性を向上させることができます。

またリーガルテックはAIに限定されず、テクノロジーを活用した幅広い法務向けのサービスのことを指します。コロナ禍で身近になったのは電子契約や電子押印です。契約書の締結と押印がオンライン上で済ませることができ、在宅勤務でも滞りなく業務や決済を進めることができるようになりました。

契約締結機能を持つ電子契約システムとしては大手企業では米国のドキュサインなどがありますし、会社用印鑑を製作している小規模会社でも電子印がオプションで提供されています。

またテックという程ではないですが、インターネットを活用して特許や商標なども電子出願ができるようになっており、ペーパレスと業務効率化が図られています(デジタイゼーションの領域)。

また弁護士業務の訴訟対応では膨大な判例を調査する必要があります。以前は紙あるいは電子データで格納されたいたところから探索するのに多くの時間を要していました。ここにもAI(テキストマイニング)が応用され、効率よく必要な判例を人工知能が探し出してくれるようになってきています。

以上のように「定型業務」はAIを中心としたIT関連技術により自動化、効率化が図られつつある状況にあります。これがリーガルテックの状況です。

教師ありAIが短編小説や作曲などが出来るようになってきており、以前では考えられなかった領域までもAIがアシストしてくれる時代が来ているのです。

結果、AI技術(テキストマイニング)をコアとした会社や新規事業が世界中でたくさん生まれています。翻訳ソフトもそのひとつです。技術自体の習得はそれ程難しくないこともその要因です。

AIが単純作業から解放してくれるのです。

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