【新規事業】セグメンテーションとマーケティング

アイビーデザイナーズ代表 細野英之 です。

本日は、「セグメンテーションとマーケティング」についてお話します。

STPのところと関連しますが、市場を細分化し、参入する市場を決めた後、その市場に対するマーケティング方法について「ワークマン」を例にお話します。

作業服の市場規模は約5300億円(出典:https://www.nikkei.com/telecom/industry_s/0359)であり、法人向けが約60%を占めています。法人向けは競合他社が多いためワークマンは個人向けに特化しています(STP)。個人向け作業服の競合他社は大手よりむしろ零細業者のためワークマンは事実上市場を独占しています。

ワークマンの企業ホームページ(出典:https://www.workman.co.jp/)には下記のように記載されています。

ワークマンは、作業服・作業関連用品の大型専門店チェーンのトップ企業として、47都道府県下に店舗を展開しております。 建設業、製造業、運送業、農業、漁業、飲食業、医療、サービス業等、幅広いお客様が仕事をする上で必要な作業服や作業用品を販売しており、フランチャイズシステムで加盟店と一体となった地域密着型の店舗展開を目指しております。

ワークマンの特徴は、国内に900店舗以上をチェーン展開をしており、スケールメリットを活かしたプライベート・ブランド製品の開発やお取引先と協力した商品開発を行い、消費者の要望に応え、他社との差別化に取り組んでおります。また、ローコスト経営に徹し、利益を着実に上げ続けるビジネスモデルを確立しております。

近年では、客層拡大を目的とした新業態店舗「ワークマンプラス」や「#ワークマン女子」の展開により、当社の「高機能×低価格」製品がアウトドアやスポーツの場面で人気になっております。(HPここまで)

ワークマンが快進撃をした「男性用作業服」はロードサイドに出店し、工事現場などで働く人たちをターゲットとしていました。ブランドとしては「ワークマン」がブランドでターゲットは男性用作業服でした(現在はワークマンプロ)。提供価値は「高機能×低価格」でコストパフォーマンスの高さから一時「作業服のユニクロ」とも呼ばれました。

次に進出した市場は「アウトドア、スポーツ、レインウエア」です。進出に際して新たなブランド名であるWORKMAN Plus+(ワークマンプラス)を作っています。コンセプトは「高機能×低価格のサプライズをすべての人へ」です。

従来のワークマンとはターゲット顧客が全く異なるため「新たなブランド」を定義しているのです。これはマーケティング上、非常に重要であり王道です。

「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の第1号店は2018年にららぽーと立川立飛内に開店しています。出店戦略も従来のワークマンとは異なっています。これもターゲット顧客が異なるのですから当然です。

以上から同じ企業が複数の市場セグメントに参画する場合、それぞれ別のマーケティング方法(別ブランド、別出店戦略、別デザイン、別価格戦略等)を実行することが重要であるということです。

但し、バックヤードである製造工場などは出来る限り共通化しコスト低減を図る必要があります(生産面でのシナジー効果)。バックヤードは共通、フロントは別というのが基本です。自動車メーカーも同様です。

まとめますと顧客と接するフロントは「顧客に適したブランド等」を丁寧に設定することがマーケティングとして重要であるということです。

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